当時のユニクロ大躍進における直接的かつ具体的要因は、「フリースと原宿店」によるユニクロブームだ。これは読者の皆さんもよくご存知だろう。98年秋冬に開始されたフリースキャンペーンで、同年、フリース商品は200万枚もの大ヒットを飛ばす。しかしそれはまだ序章にすぎなかった。翌年、ユニクロのフリースは850万枚を完売し、さらに次の2000年秋冬には2600万枚を売るという、おそらく世界の衣料品販売の歴史に残るであろう空前の大記録を打ち立てたのである。そのフリースとともに、国民的とさえいえるユニクロブームを支えたのが、98年11月に出店した東京・原宿店だ。「郊外店のユニクロが都心のど真ん中に逆進出」ということで、一般マスコミやファッション雑誌が競ってユニクロ原宿店とその商品を取りあげた。そのイメージ貢献ははかり知れない。またその頃から始めたテレビや新聞、各種雑誌への広告出稿などとの相乗効果もあり、ユニクロの知名度は飛躍的に高まった。以降、ユニクロの「爆走」が始まる。そしてプロローグでも触れたように、ユニクロはその頂点の01年8月期に売上4186億円、経常利益1032億円という専門店前人未到の偉業を達成、当時の流通業界、いや全産業界の度肝を抜いたのである。