家(住環境)が人の健康に及ぼす影響は大きく3つに分けることができます。まずその1つめは化学的影響です。化学的影響とは有害化学物質と空気の質の関係のことで、シックハウスがその代表的な例です。シックハウスは正しくはシックハウス症候群といわれ、住宅の内装材に含まれる化学物質が人体に悪影響を及ぼすという現象です。ビニルクロスなどの壁紙に含まれる可塑剤、その壁紙を壁に貼り付けるための接着剤に含まれるホルムアルデヒド、フローリング材の合板に用いられているホルマリン系接着剤などが室内の空気を汚染し、その空気を人が吸ってしまうために引き起こされるのがこの病気です。シックハウスの主な症状としては、頭痛、喉の痛み、眼の痛み、鼻炎、嘔吐、呼吸器障害、めまい、皮膚炎などがあげられ、病気としてのメカニズムや治療法もまだ十分に解明されておらず、医療分野でも対応が整備されていないというのが現状です。じつはホルムアルデヒド等の有害物質を含んだ接着剤や塗料などは、かなり以前から使われていました。しかし、それがかつて大きな問題とならなかったのは、今ほど住宅が高気密化していなかったからでしょう。かつての家には多少の隙間があり、そこから自然に空気の流出入があって、自然に換気が行われていたのです。ところが現在の家づくりは、高気密・高断熱化か進み、計画的に窓を開けるなどしない限り、換気不足になりがちなのです。