独りよがりは禁物

2010-11-24

次のような問題があります。「太郎はいつも花子と一緒に学校に行く。花子が道端の花をとろうとして飛び上がった。しかし、届かない。太郎は、花子がカエルみたいに飛び上がるのを見て笑った。花子は太郎を見てちょっと怒った顔をしたが、すぐにまた先を歩き始めた。実際、太郎は花子にだけでなく、誰にでもよく笑ってしまうのである。花子も、太郎が自分だけを笑うわけではないことを知っていた。太郎は自分にはくせがあると前から思っていた。よく頭をかくのもそうだった」〈問題〉…花子は怒った顔をしたがすぐに歩き始めたのはなぜですか?(一五字以内で答えよ)答えは、問題文の言葉をそのまま使えば「太郎に笑われたが、それは太郎が自分にだけすることではなく、誰にでもよく笑ってしまうから」ですが、これでは一五字以内にならず、欄に入りません。しかしここで太郎の人物像を考えると、太郎のくせに気づきます。そして、「太郎には笑うくせがあったから」ではないかと考えます。ところがこの文章が、そのまま書いてある箇所はありません。しかし「太郎」「笑う」「くせ」という言葉は、問題文の中に別々に書かれています。それらを組み合わせて文字数に入れると、答えは「太郎には笑うくせがあったから」しかないということになります。これはあくまでも問題の話で、実際の試験ではさらに色づけされ、複雑になっていますが、記述問題の基本はここにあるといってよいでしょう。記述問題では、自分が考えた表現を使いつつ、作者の考えを忠実に再現しなければなりません。ここでも独りよがりは禁物なのです。