今のように外国に簡単に行けるわけではなく、映画館に行って映画でも見ない限り生の英語に接することができない人々にとっては、とても高い壁でした。当時のTOEFLで600点をあげるには、話して書ける能動的な能力がないと無理でした。言い換えれば、600点を取ればまずアメリカの大学ではやっていけたのです。試験自体の構造というよりは、当時の社会的背景が、「聞き読み」の受動的能力と「話し書く」の能動的能力とたまたま一致していたので選抜機能があったのです。ところが今は、TOEFLの問題自体がやさしくなった上に、TOEFLのスコアを上げる専門コースが巷にあふれています。なにも英語を話したり聞いたりしなくても、TOEFL用の集中講座を受ければたちまちスコアを上げることができます。リスニングのコツを教えてもらい、文法や表現集を覚えて問題集をやり、読解のコツを習って問題集で練習するだけで、かなり点は上がるでしょう。そのためのノウハウを教えてくれる本も書店へ行けばたくさんあります。英語の能力以上に、このテストには明らかにコツがあるのです。リスニング用のテープを買い何十時間も聞きつづければ、苦手のリスニングも上達します。これは、TOEICにも似たことが言えます。