大検出願締め切りは六月二日であった。県の教育委員会に出願する際に、どの教科を受験し、どの科目が免除されるかを、係の人から指導をされる。高校で過去にどの教科を修得し、どの科目を履修しているかを、単位修得証明書によって、個別に審査してもらうのである。そのために、五月末になると、証明書の発行依頼が殺到するという次第である。夜の学習会六月七日、水曜日。北九州地区の学習会に出張する。五時過ぎの博多発の快速電車に乗る。JR黒崎駅で下車、バスで陣山に向かう。六時二〇分、学習会場の陣山公民館に到着。開始時間には10分ほど早いのに、部屋はもう七分どおり席が埋まっている。新入生が多いせいか、ほとんど知った顔がない。「今晩は」と声をかけても、しかとした返事が返ってこない。皆、黙々とレポートに取り組んでいる。空いた席に座ると、後ろの方でささやき交わす声が聞こえる。私の教えているのが、古典と国語表現という三・四年が受講する科目であるために、新入生に私の顔は馴染みがないのである。