友人のすすめで“ねるとんパーティー”にも参加するようにまでなった。「私ひとりだったら、絶対に、一生行かなかったと思います。でも友人と行ったそのパーティーは『いかにも』といった感じじゃなくて、友人の働いてたスポーツクラブの会員の人たちが中心になった、サークルみたいなノリだったんです」。人見知りがちなTさんにも、みんなきさくに声をかけてくれた。ダイビング、ボーリング、暖かくなったらヨットに乗ったりと、Tさんは月1回くらい友人と一緒にそのパーティーに出席した。「それでもまだ、男性と1対1で話せなかったんです。何回か参加しているうちに『あ、いいな』と思う人が出てきたりしても、自分から話しかけることができなくて……。友人と一緒に声をかけると、相手の男の人はみんな友人のことを気に入っちゃったりして。それはそうですよね、見るからに内気そうな私なんかより、元気で明るい友人のほうがいいに決まってますよ(笑)」。それでもそんな、Tさんに話しかけてくれる男性だっていただろう。「でも、なんとなく気が合わなさそう……とかちょっと話すだけで私が勝手に決め付けちゃって」。26歳の女性にしては、なんだかとても幼い印象を、彼女の話から受けた。結婚に憧れ、職業は子供相手の保母さん。23歳までそうして過ごして来たTさんにとって、失恋は想像以上に大きな傷だったのだろう。事実、帰郷して2年目からは近くのファミリーレストランでアルバイトをしていたが、それはとうてい「保母さん」や「結婚」に変わる「夢」に成り得るものではなかった。帰郷して3年も経つのに、Tさんはまだ新しい生きがいを見つけられずにいた。「正直焦りもありました。でもその時の私には、同じ境遇の友人がいた。彼女がいてくれることが、本当に何よりも支えになってました。休日に出かけるのも、旅行をするのも、いつも一緒でした」。そして2年あまりがあっという間に過ぎていった。