食べ物や飲み物の中には、必ずといってよいほどフッ素が含まれています。そして食べたり飲んだりすることで体内に入ってきたフッ素は、必要量だけ体の臓器の中に吸収され、必要量以外は二四時間以内に排出されます。成長期の子どもでは、フッ素は体の発育と骨や歯を作ることに利用されます。フッ素の九九%が主として骨格系に沈着しているのです。フッ素は、人問の休に鉄分に次いで多く含まれているミネラルです。体重六〇キログラムの人には二・六グラムのフッ素が存在することになります。とくに近年、フッ素は成人にとっても有益であるということがわかってきました。骨粗耘症の予防・抑制・治療に有効なものとして、諸外国では長期のフ。化ナトリウム投与療法がなされています。世界保健機関(WHO)や食糧農業機関(FAO)、アメリカ合衆国食品医薬品局(FDA)など多くの専門機関も、フツ素を必須栄養素であるとして推奨しています。フツ素はむし歯予防に効果があるだけではありません。フッ素なしでは、人は生きていけないのです。厚生省の「日本人の栄養所要量」に掲載されているミネラルは、主元素であるカルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、ナトリウムと、微量元素の鉄だけです。ところが、最近出版されている栄養分析表には、人間に必須なミネラルとしてフツ素が掲載され、解説されるようになりました。そして、平成十一年から、ようやく厚生省でもフッ素や亜鉛というミネラルの適正摂取量(所要量)について検討がはじめられました。